プログラム
ワンライフジャパンでは、日本の伝統的な暮らしぶりや自然環境、文化、歴史、それぞれのつながりについて体験し深く知ることを通じて、自分の生き方について考えたり、自分をとりまく多様な「つながり」を感じるプログラムを提供しています。
ワンライフジャパンが提供するプログラムには、6つの特色があります。
見て、聞いて、五感で感じて、理解し、訪れた場所とそこに暮らす人々と直接つながる―― 自転車やウォーキングの旅ほど、楽しくて、健康的で、知的好奇心を満足し、心に残る旅はありません。何年たってもまるで昨日のことのように鮮やかによみがえるひとときを経験できることでしょう。
自転車&ウォーキングで達成できることは、
また、スケジュールに従った旅ではなく、自由に旅を設計しながら旅行したいという方のためにフリースタイル・アドベンチャーを用意しています。 参加者が決めた出発地点と終点をもとに、ワンライフジャパンがおすすめのコースや見どころ、地域遺産についての情報提供を行います。詳細なデータと地図をもとに、参加者はその時の状況や関心に応じて旅をデザインしながら進みます。ワンライフジャパンが同行する・しないは参加者次第。同行しない場合も、常にホットラインでつながっていますから、どんな状況でも迅速にサポートすることができます。
ワンライフジャパンは地域に根ざした活動を特に重視しています。これまで主流を占めてきた観光スタイルは、観光地をめぐり、新しい土地や珍しいもの(「光」)を部外者として「観」るというものでした。これに対し、ワンライフジャパンが提供するプログラムは、参加者が主体的にかかわり、訪れた地域に親しみながら意義のある楽しい経験であること、さらに、地域の人と協力し地域のためになる活動に参加する機会を提供します。
現在、秋に行われるカヤブキ古民家保存を応援するボランティア2008のボランティアを募集しています。築220年を超える貴重な村文化財である保存民家の葺き屋根の改修に必要な材料「茅(かや)」の刈取りを地域の皆さんと一緒に行い、高齢化の進む村の伝統文化の継承を支援するとともに、山菜や熊肉をつかった郷土料理、天然温泉などを楽しみます。
あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、地域にある自然・文化・歴史など後世につたえていきたい有形無形の遺産について、参加者の感性を刺激し、知性に挑戦し、心に訴えかけるような方法により、地域遺産の背景にある重要性や意義を参加者に解説・伝達することを意味します。ワンライフジャパンはプログラムの中で、参加者の興味関心やニーズに基づいたインタープリテーションを提供することによって、自分では気づかなかった視点や多様なつながりを明らかにすることを通じて、参加者が考えるきっかけを提供します。
実体験を通じてつちかわれた知識や感性ほど、具体的でいて応用性があり、私たちに考える力と行動する力を与えてくれるものはないと考えます。
私たちの体験学習(Experiential Learning)のコンセプトは、実際におとずれる場所の自然環境、社会状況、有形無形の文化・歴史的遺産などを教材にして、私たちの生活との関わりや多様な相互関係について、経験をもとに考えてゆくというものです。さらに、参加者は感じたこと・考えたことを他の人たちと共有することによって、ことなる視点を吸収しながら発展させ、プログラム終了後も継続して自分の生活の一部として生き続けるような経験を得られるでしょう。
ワンライフジャパンは、食を非常に重視しています。食は私たちの命を育むだけでなく、私たちをとりまく環境をつうじて様々な命に影響を与えているからです。
私たちは自然の恵みである食べ物を通じて自然界からエネルギーを取り入れ、生命を維持しています。食べ物ほどに私たちの命に影響を与えるものはありませんが、現代のライフスタイルでは人間の欲求が先行した不自然な食文化が当たり前になっています。温室で栽培された季節はずれの野菜や果物、遠い国からはるばる輸送されてきたグルメ食品、工場で大量に生産されたレトルト食品、24時間お金さえ出せばいつでも欲しいものが手に入るコンビニエンスストアやファミリーレストラン。どれも簡単・便利な半面、大量の化石燃料を使い大量のごみを廃棄するという永続性のない消費スタイルであり、人間が食べ物を介して自然によって生かされているという根本的なことを忘れてしまっています。
これと対照的に、伝統食や郷土料理のなかには、持続可能な方法で自然を最大限に利用し、健康に生きるための知恵やヒントがたくさん隠されています。伝統食というと“田舎くさい“というイメージがあるかもしれませんが、食生活が自然の営みから乖離してしまったいま、伝統食をふりかえることで様々な発見や驚きがあることでしょう。最近、マクロビオティックという日本の伝統食を基礎とする食事法が若い世代で注目を集め、料理教室や料理研究会、料理本などがさかんな理由も、伝統食のもつ魅力に人々が気付きはじめているからでしょう。
ワンライフジャパンでは、みずから鍬をもち無農薬・無化学肥料で田畑を耕し、山菜やキノコなどの野山の恵みを動物たちと分け合い、収穫に感謝して最後の一粒・一葉までもおいしくいただきます。食事は、地元でとれた旬のもの(身土不二)を、できる限りまるごと使い(一物全体)、化学調味料・添加物などを含まない調味料をつかって、心をこめて調理します。私たちも特別な場合をのぞいてベジタリアンなので、動物性除去の食事などにも喜んで対応させていただきます(アレルギー対応についてはご相談ください)。
日本の農山漁村の美しさを一人でも多くの人に伝えたいというワンライフジャパンの思いを形にしてくれる方法のひとつが、写真です。失われつつある美しい日本の原風景、茅葺き家屋、集落の祭り、お伝馬(結(ゆい)で行う相互扶助の作業)など、貴重な日本の自然・文化・歴史的遺産をデジタル写真として撮影・保存しています。全てのプログラムはワンライフジャパンが撮影した写真の中から特に優れた写真を厳選し、編集したデジタルフォトアルバムまたは印刷物として参加者の皆さんの記念にお渡しします。
プログラムには2つのタイプのプログラムがあります。
まずは少しでも「気になるなあ」と思ったら、ぜひ一度ご相談ください。お話をうかがいながらベストなプランをご提案させていただきます。
ワンライフジャパンが日程・内容を企画し、公募するプログラムです。地域のイベントや紅葉など時期が限定されるものを中心に企画されます。世界各地から集まってくるいろいろな参加者の方と一緒にプログラムに参加することができます。
リクエストに応じて企画されるプログラムです。 参加者の方とやりとりしながら、興味関心、日程にあわせて、その方にとってベストのプログラムを一緒につくり上げていきます。 私たちで可能な限り支援させていただきますので、あなたの夢や希望をどんどんぶつけてください。 また、ご自身の希望に応じてカスタマイズしたプログラムであっても、一般から広く参加者を募集することもできます。
次のようなケースにお勧めです:
プログラムの一例をご紹介します。 お勧めの日程を記載していますが、それ以外でも催行が可能ですので、ぜひ一度ご相談ください。
<お勧めの日程: 3泊4日~>
景色が美しく起伏がゆるやかで、子どもから大人まで楽しくサイクリングを楽しめるコースを厳選。体を動かす充実感と、緑かがやく信州の山里の景色・文化・歴史を満喫できる家族向けの自転車旅行です。観光的な要素もとりいれつつ、都会にはない環境を利用した探求型学習の手をとりいれ、家族みんなの心に残る楽しい経験を提供します。
<お勧めの日程: 1泊2日~>
週末を信州の大自然のなかでお子さんと一緒に過ごしてみませんか!森を歩くのに必要な基本的なナビゲーション技術、火のおこし方、ビバークシェルターの作り方などキャンプのノウハウ、魚釣り、鶏のさばき方、食用植物の見分け方・料理法、森をまもるボランティア、ネイチャークラフトなど、文明から少し距離をおいて、森で生き抜く技と自然とふれあう楽しさを経験できるプログラムです。
<お勧めの日程: 2泊3日~>
山里の村・長野県栄村で暮らす地元の人といっしょに、農作業、山仕事、食事の準備をしたり、酒をくみかわすことで、内側から村の暮らしを感じてみませんか。地元の家族に1名~数名のホームステイも可能です。人のつながりの温かさ、自然を利用する知恵、山村ならではの暮らしぶり、村の抱える問題など、「観光客」ではなく一人の「人間」として経験することで違う何かが見えてきます。
<お勧めの日程: 3泊4日~>
豪雪地域だからこそ味わうことのできるダイナミックな四季の彩りを、自転車とウォーキングで楽しみます。集落を抜ける小道や、千曲川流域をみわたす美しい里山の道を自転車で爽快にかけめぐり、大空の下でピクニック。歩き出せば、地元の人と挨拶をかわし、とれたての野菜を頂いたり、農作業を手伝ったお礼にとお茶に招かれたり、地域に根ざした滞在型のプログラムです。文化・歴史的に興味深い場所を訪れたり、携わる方たちとの交流も楽しみの一つです。
<お勧めの日程: 2泊3日~>
ロードサイクリングでは物足りないという方を、とっておきのMTBコースにお連れします。日本海と北アルプスを一望できる開田山脈からいっきに11KMを駆け降りるオフロードコースや、群馬県から長野県へぬける古道をこえるヒルクライムとダウンヒルのコンビネーションなど、ブナの原生林を抜け、渓流をわたり、大地を駆け巡る、大自然と自分に挑むハードでダイナミックなアドベンチャーです。一日の終わりには、露天風呂で疲れを癒し、郷土料理を楽しみながら星空を仰ぐ―― MTBの醍醐味を楽しむにはこれ以上ない条件がそろっています。
<お勧めの日程: 1泊2日~>
スキーやスノボに興じたり、地元の人と一緒にクリスマスBBQパーティー、かんじきを履いて冬の木漏れ日が美しいブナ林の散策、伝統的工芸品の桐下駄の制作見学、木工職人さんとの交流・工房見学、秋山郷の民族博物館訪問など、雪国・栄村ならではの自然・文化・歴史にふれあう旅ではいかがですか。
<お勧めの日程: 2泊3日~>
小正月の伝統行事である道祖神祭りの「どんど焼き」を地元の人と一緒に作ったり、初めて使う除雪道具に四苦八苦しながらのかまくら作り。自作のかんじきを履いての雪山ハイキング。地元に伝わる蕎麦料理にも挑戦し、地元の人と語り合いながら楽しい昼食。古老から藁細工の手ほどきを受け、体験博物館で雪国の風俗を学んだりと、遠い昔から雪とともに暮らしてきた人々の生活や文化に触れあいます。
<お勧めの日程: 1泊2日~>
今シーズンは冬季登山に挑戦してみたいけれど、2000m級の山では不安という方に最適です。1000m以下の冬の里山を歩きながら、落葉によって見通しのよくなった森の中で冬の生き物の観察をしたり、地図やコンパスを使って地形を読む練習をしながらかんじきで歩きます。夜は身の回りにある雪を利用して雪洞を掘ってのキャンプ。下山後は集落の中を散策したり、猟師から狩猟の話を聞いたり、高齢者住宅の雪下ろしをお手伝いしたりと、雪国の人々の暮らしに触れ合う旅です。
多様な可能性を信じて
One Life Japanの目標は、よりよい生き方を実現するために、私たち自身と地域社会のなかにある多様な生き方の可能性を再発見し、実現するためのお手伝いをすることです。
多様な生き方の可能性は、地球上に暮らすあらゆるいのち(生命体)のホリスティックな(総体的な)つながりを意識し、理解することから生まれると考えます。私たち人間は人間だけで生きているのではありません。他の数え切れない命からなる生態系とのつながりによって支えられ様々な困難を乗り越えて生きている、いわば生かされているのです。
現代の生活ではそれを実感する機会がきわめて少なくなっていますが、この命の営みがはるか昔から連綿と繰り返され、いまなお続いているからこそ私たちがここに存在するのだという事実―― これを意識したとき、多くの当たり前だと思っていた価値観や既成概念、社会通念、そこから生まれる見栄や恐れを超えて、自分にとって何が真実で何が大切なのかということを自由に発想することにつながるのではないでしょうか。世界中で急速に環境問題が深刻化していますが、いま私たちが何をすべきなのかを考えるときも、こうした視点をもつことで新しい見方が生まれてくると思うのです。
私たちはこのような考えに基づき、日本の個性的で美しい自然、歴史、文化を最大限に利用しながら、生態系とわれわれの複雑なつながりを総体的に意識することができるようなプログラムを提供します。